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ホームアイシンクインフォメーション第32回:殿、利息でござる!(2016年)

第32回:殿、利息でござる!(2016年)

こんなところにもプロマネ! 2023.07.21

今回の映画は、とらえようによっては時代劇に形を借りた、突拍子もない時代劇コメディになってもおかしくない状況にも見える内容なのです。が、どうやら現実に史実として起こっていたことを脚本の核として、驚く結果をなしとげたある宿場町の話「殿、利息でござる!」を題材に取り上げたいと思います。

まずはいつもの通りストーリーの概要です。時は18世紀。仙台藩の宿場町のお話。仙台藩領主が自分の領地を直轄するために様々な地方回りをするにあたり、当然宿場町を休息ポイントとして選ぶことになります。するとある宿場町から次の宿場町までは、当然ながら生活に必要な荷物を帯同しながら、運搬しながら進めていく必要が出てきます。当然藩主級のお偉い侍が旅をするのですから、それに必要な道具や物資はかなりの量に。このような物資輸送を行う役目を「伝馬役」と称しているのですが、当然ながら馬の手配や次の宿場までの工数が必要になります。通常の直轄地内の宿場町であれば、このような「伝馬役」にかかる費用も藩からの助成金が出るようなのですが、この映画の宿場町は、残念なことに直轄地ではなく、そのため助成金が出ず、毎回町人がその「伝馬役」にかかる費用を町人レベルで負担せざるを得ず、町は疲弊し、どんどんと貧しくなっている状況です。
すでに町人の中には夜逃げしてしまうものが出ていたりと、町として衰退の一途をたどっています。(何やらこうして書いているだけで、映画の話のみならず今の日本をあらわしているかのような錯覚も覚えるのですが…。)この窮状を宿場から藩主になんとか訴えたいとおもいますが、直訴したところで事態が好転するとも考えられません。そこで町の中の京都帰りの知恵ものの知恵を借りて、奇想天外の方法をひねり出します。それは、「我々宿場町のそれぞれからお金を捻出して、それを一括して町として藩に貸し出そう。そしてその利息分を伝馬役の費用とさせてもらおう」という案でした。いわば、町人がお金を集めて藩に貸出し、その貸出利息を費用とさせていただこうというアイデアです。でも町はすでに夜逃げが出るようなさびれた町、こんな宿場町でそんな貸し出せるような、利子が取れるほどの大金を捻出できるのでしょうか?

ここで、いつものように我々が実際に仕事をしている状況を振り返りたいと思います。
我々が関与しているプロジェクトにおいては、コストももちろんですが、スケジュール的にも結構厳しい日程が突きつけられている現場があると思います(映画ではお金の話でしたが、我々の現実においては時間を題材に話を進めたいと思います。)しかし、だからといってそれぞれが「本当のギリギリ」で個人でマージンを持たずにスケジュールを組んで仕事を回していては、万一のことが起きた時のリカバリーが効かないのも事実。それをそれぞれの担当者が知っているからこそ、自分の作業日程において、それぞれがそれぞれに、多少の日程マージン(余裕期間)をとったうえでスケジューリングしているのが現実ではないでしょうか?ですが、そうしてそれぞれが余裕時間をとったとしても、毎回毎回の厳しい短期日程に対応せざるを得ず、現場が疲弊している状況をあちこちで散見することがあります。もちろんこれには理由があります。早く出せば、機会損失の可能性が下がります。ですが作りてからすれば、早くリリースするために品質を犠牲にしていいわけではないことも知っており、そこで矛盾が生じているわけです。早く出したい、でもしっかり作りこむために個人で余裕期間をとらざるを得ない。

そこで、コペルニクス的転回のプロジェクト運営が編み出されました。それはクリティカルチェーンプロジェクトマネジメント、略称CCPMというプロジェクト運営方法です。
これは、それぞれが個々の作業で持っている余裕期間を全部吐き出させるところから始まります。ただこうして吐き出すだけでは、万一のトラブルが起きたとたんにプロジェクト全体が破綻し、スケジュールを満たすことができません。そこで、それぞれには余裕期間を吐き出してもらいますが、そのそれぞれが出してきた余裕期間を全部合わせて調整した「プロジェクトバッファ」をスケジュールの最後に付け加え、もしも万一のことが起きたら、こうして皆から集めた少しずつの余裕の塊である「プロジェクトバッファ」を消費しながら、スケジュールを守ってプロジェクトを進めようという、まさに、個々人が持っている余裕は小さいけれど、みんなで集めればそれが僕ら全員を守る武器に使えるというこの映画の状況そっくりなのです。

映画の中では、様々な困難が立ちはだかります。そもそも、誰もがそんな大金が集まると信じなければお金を出しません。が、少しずつ仲間が広がってきます、それぞれの立場でがんばって小銭を集めていきます。さて結果は?
それは映画をご覧になって確認していただければと思います。

ちなみに、上記で紹介したクリティカルチェーンプロジェクトマネジメント、理論の根幹となる制約理論(TOCと呼ばれることもあります)は、話を聞くだけでは、わかりはするのだけれど、実際そんなにうまくいくのか?と感じる人がいるのも事実です。が、これは実はトヨタ生産方式などに裏付けられた非常に日本的な仕事を回す仕組みをもとに組み立てられた手法。ご興味がある方はぜひクリティカルチェーン、CCPM、TOCなどをキーワードに学習していただければよいと思います。

実は、今回題材にした映画には、フィギュアスケート界の「あの人」も特別出演しているのも、ファンの方の見どころの一つかもしれません。ぜひご視聴してみてください。
それではまた。

あらゆるお客様の「プロジェクトの成功」をサポートしていくことが、
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