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第30回:不毛な検討が続く 

メルマガ,PMざっくばらん相談室

今回は、村田さん(仮名)からの悩みです。

村田さん 34歳/PM歴7年/メーカーのプロジェクト・リーダー

私が参加しているプロジェクトでは、新しい要素技術の開発を行っています。
これは不確実性の高いプロジェクトだったのですが、通常は予定期間の半分、約半年も経つと大体の状況が見えてきます。ところが、この案件は当初の目論見に反して、まったくめどが立っていないのです。

しかも、プロジェクトの終了条件が、「成果物ができるまで」ということになっているので、当初の目標期限はおろか、いつになったらめどが立つかすら分からない状況で、プロジェクトが継続しています。

あまりにも進捗が見えないので、不毛な検討が延々と続いて、関係するメンバーのモチベーションもすっかり下がってしまいました。
もう、プロジェクトを中止して、他の案件に資源を割り当てたほうが良いのではないかと思うのですが、上司は継続を指示するのです。

どうしたら、上司にプロジェクトの中止を進言できるのでしょうか。

回答

なるほど、先の見えないプロジェクトをただただ検討し続けるのは、大変なストレスになりますね。
いただいた内容からは、次の2つの問題が見えてきます。

1)上司との目的の共有
2)フェーズ移行の管理

1)上司との目的の共有

村田さんが、当然中止すべきと考えているプロジェクトに対して、上司が継続を指示するには、それ相応の理由があるはずです。

上司は、メンバーよりも多くの情報を持っているはずなので、村田さんがご存じない情報を基に継続の判断をしている可能性があります。まずは、上司に継続の理由を尋ね、「プロジェクト憲章」(※)という形で文章化してみるとすっきりするかもしれません。

上司は村田さんが意識していなかった副次的効果に眼をつけていたり、あるいは成功確率が非常に小さいことを承知でチャレンジしようとしているのかもしれません。

※プロジェクト憲章とは…
 プロジェクトのビジネス背景・目的、期待する成果を現したもの

2)フェーズ移行の管理

不確実性の高いプロジェクトでは、最初から詳細な計画を立てることは困難です。
この場合は、プロジェクトを進めながら先の計画を立てていくといった計画手法が採られます。

ここで重要なのは「フェーズ移行の管理」です。
不確実性の高いプロジェクトは、いくつかの段階(フェーズ)に分けると管理しやすくなります。

特に成功確率が小さく、不確実性の高いプロジェクトのフェーズの例として、製薬会社における新薬開発プロジェクトのフェーズを紹介します。

  1. 概念
  2. リード化合物探索
  3. 非臨床試験
  4. 臨床試験(1)
  5. 臨床試験(2)
  6. 臨床試験(3)
  7. 申請承認

フェーズが進むたびに、検討に多くの時間と費用がかかるので、中止にすべきプロジェクトは早い段階で中止にする必要があります。例えば、「3.非臨床試験」までのフェーズはスムーズに進んだとしても、「4.臨床試験」(新薬開発などのために、人体を使った実験)以降ではさらに時間と費用を要するので、一定の基準が満たされないようであれば、即中止にすべきです。

つまり、フェーズ移行基準(どのような条件を満たすことが、次のフェーズに移行する条件となるか)が、プロジェクトを継続するか否かの明確な判断材料となります。

「プロジェクト憲章を作成し、上司と継続理由(背景・目的)の共有をするとともに、フェーズ移行の管理をしっかり行う」
ぜひお試しください。

あらゆるお客様の「プロジェクトの成功」をサポートしていくことが、
アイシンクの最大の使命と考えております。

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