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第26回:アクションのいらないリスクを識別するのはなぜ 

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今回は、西村さん(仮名)からの悩みです。

西村さん 31歳/PM歴6年/メーカーの製品開発プロジェクトのグループリーダー

私は、最近、プロジェクトマネジメントを学んで、現場での適用を試行錯誤で行っているところです。

なかでも苦労しているのがリスク・マネジメントです。

「できるだけ多くのリスクを識別する(リスクを洗い出す)」というのがポイントのようですが、さしあたってアクションがいらないリスクまで挙げていったらきりがないように感じます。

アクションが不要なリスクを識別することは無駄ではないでしょうか。

回答

なるほど、リスク・マネジメントを始めたばかりでは、その範囲にとまどうでしょう。

さしあたってアクションがいらないというのは、危険度が識別の段階では許容値(リスクリミットと呼びます)を下回っている状態だと思います。

このようなリスクを識別して登録簿に登録することの意義は、リスクの監視・コントロールの対象にするということです。

実際、失敗したプロジェクトを調べてみると、想定外のリスクで失敗したケースが意外と少ないことがわかります。

多くの失敗は、「想定していたけど、まず起こらないと思った」、あるいは「起きてもたいしたことがないと思った」と表現されるリスクによって引き起こされています。

つまり、許容値を下回っていたリスクが失敗の要因になることが多いのです。

リスク・マネジメントのポイントは、識別段階では許容値を下回っていても、プロジェクトの遂行の中で許容値を超えるリスクに対して事前に予防することです。

例えば、A社という業者に部品の発注を予定していたとしましょう。A社は人気の業者で、忙しいと引き受けてくれないリスクがあります。

その場合は、B社に発注すれば良いと考えています。B社には、すでに別の部品を発注していますが、こちらは納期に余裕があるので、A社の業務を振り替えても支障がないと考えていました。

ところが、今日になって、B社に発注している部品の納期を前倒しする必要が生じました。納期に余裕があったはずのB社の業務量が超過気味となったのです。

もし、「A社が引き受けてくれないかもしれない」というリスクがリスク登録簿になければこれで終わりです。

いざ、A社にに発注するときになって引き受けてくれないとわかって、はじめてB社も容量いっぱいで無理だと分かり大慌てするかもしれません。

もし、このリスクが登録簿にあれば、リスクの担当者がB社の納期が変わった時点でリスクの条件が変わったことに気付きます。

そして、その段階で手を打てば、リスクを予防(リスクを許容値以下に抑える)できる可能性は大いにあります。

これが、識別段階で許容を下回っているリスクを登録することの効果です。

したがって、さしあたっては許容内にあるリスクでも、「監視の必要のあるリスク」は登録簿に載せることが重要です。

「許容内のリスクも識別することでプロジェクトを守ることができる」
ぜひご留意ください。

あらゆるお客様の「プロジェクトの成功」をサポートしていくことが、
アイシンクの最大の使命と考えております。

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