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第23回:まったく実績がなくて、計画できない 

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今回は、中村さん(仮名)からの悩みです。

中村さん 33歳/PM歴7年/日用品の製品開発プロジェクトのリーダー

今回任された製品の開発が、いままでに実績のないもので、過去の事例がまったく役に立ちません。

スケジュールやコスト計画はおろか、WBSすら満足にかけない状況です。

こんな状態で、スケジュールやコストを計画しても、とても守れる気がしません。

こんな状況でのプロジェクトマネジメントは、どのように進めたらいいのでしょうか。

回答

なるほど、「プロジェクトマネジメントはまず計画から」といわれていますが、計画そのものができないとなれば、不安になりますね。

ましてや、実績のないプロジェクトですから不確実性も高く、不安が募ることと思います。

このような実績のないプロジェクトでは、最初に詳細な計画をたてようとしても無理なだけでなく、無駄であることを承知しなければなりません。

わからない内容で無理やり計画しても、その計画はきっと段階を経て、次々に変更されていく運命にあります。

このようなときには、「ローリング・ウェーブ計画法」という手法を使います。

この手法では、すぐに取り掛かる内容については詳細に計画しますが、先の計画については、わかる範囲でおおざっぱな計画にとどめ、プロジェクト進行によって段階的に詳細化していくというものです。

「ローリング・ウェーブ計画法」の名称は、岸から見た遠くの沖に見える波は大きくうねっているものの、岸に近づくにつれて波は細かくなり、足元にくるころにはさざ波になっているという現象にたとえて、「遠くのものは大雑把に、近くのものは詳細に」を示しています。

この手法を用いるときのポイントは、「フェーズ移行」をしっかり管理することです。

「フェーズ移行」とは、最初の「調査・検討フェーズ」が終わって、次の「設計フェーズ」に移ること、あるいは「設計フェーズ」が終わって、さらに次の「開発フェーズ」に移ることのように、ひとつのフェーズから次のフェーズへ進むことをさします。

「フェーズ移行」では、新たに入手した情報をもとに、次フェーズの立ち上げ、そして「計画の見直しと詳細化」を確実に行います。

次フェーズの立ち上げでは、新たに明らかになった情報から「本当に次フェーズを開始しても良いかどうか」の判断を行います。

たとえば、開発には当初1000万円の予算を見込んでいたとして、「設計フェーズ」が終わってみると、実際には2000万円が必要だとわかったとしましょう。

そのとき、「2000万円かかっても重要な製品だから開発しよう」という判断もあれば、「2000万円もかかるなら開発を中止して、ほかに予算を回そう」という判断もあるわけです。

次フェーズが立ち上がったら、「計画の見直しと詳細化」を行います。

少なくともこれから実行するフェーズの計画は、実行に耐えられるだけの詳細な計画になっている必要があります。

このようにして、各フェーズは、そこまでに得られた情報によって、都度詳細化され、実行されていきます。

いかがでしょうか?よくわからないプロジェクトでは、無理にすべての計画を立てる必要はありません。

「実績のないプロジェクトでは、ローリング・ウェーブ計画法を用いて、フェーズ移行に注意する」
ぜひお試しください。

あらゆるお客様の「プロジェクトの成功」をサポートしていくことが、
アイシンクの最大の使命と考えております。

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