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ホームアイシンクインフォメーション第2回:サマーウォーズ(2009年)PM系講師 梅田拓

第2回:サマーウォーズ(2009年)
PM系講師 梅田拓

メルマガ,こんなところにもプロマネ!

みなさんこんにちは。隔月でお送りしている本コラム。先月のこの枠は「出来るプロマネの仕事術」でしたが、そちらでは「公式な権限」と「非公式な権限」を取り上げていましたね。今月は、少しそれも意識した内容となっています。

今回取り上げる映画は「サマーウォーズ」。2009年の夏に日本で公開されたアニメ映画になります。ジブリなどアニメ映画をお好きな方もたくさんいらっしゃると思いますが、この映画もジブリ作品に勝るとも劣らぬ出来になっています。

皆さんの中には、すでにfacebookをはじめとするSNSサービスのアカウントを持ち、いくつかのサービスが使えたり、その結果を享受することができたりするのが当たり前となっている方もいらっしゃると思います。この映画もまさにそういった世界であり、より強固にシステムとの関係がつながっている世界です。映画の中では「そんな世界の中において、もしも社会システムの根幹を担うようになったネット上の巨大なサービス内で不具合が起きたり、アカウントが乗っ取られたりしたら」という騒動に、どのように立ち向かっていくのか?というストーリーが展開します。
もしかすると、公開された2009年にご覧になり、当時はいまいちピンと来なかった方でも、携帯電話はスマホが当たり前となり、様々なサービスを普通に使う生活様式となった「今」、AIなどがキーワードになっている「今」なら、より内容も実感しやすい環境が整っているのではないかと思います。

ストーリーの中で出てくる今で言うSNSのようなサービス「OZ(オズ)」。そのシステム内部に、異常が発生します。映画では、その「OZ」が社会システムの根幹となるシステムになっています。そのため「OZ」に連動している、たとえば街の信号機や携帯電話、緊急通報システム等にも不具合が発生。あちこちの生活に根差した機能がこの「OZ」に紐づいていることで、日々の生活が大混乱に見舞われます。信号機や通信などは大混乱、当然ながら道路も大渋滞。水道管から噴水のように水があふれ出たり、配送物などは当然のことながら予定通りに届かない等々、市民生活は大幅に麻痺してしまいます。誰もが困った状態、だけどどうすればいいのかと途方に暮れてしまいます。

こんな大混乱の中、一人のある人物が立ち上がります。
「まるで敵に攻め込まれているみたいじゃないか!」
そう認識したその人物は、手元に黒電話を手繰り寄せて、住所録や古い年賀状を頼りに、自分の知り合いなどでそうした生活基盤に関わる関係各所で働く現場のリーダー達に直接連絡を取り、激励しはじめるのです!さらに、単なるそうした現場のリーダーのみならず、司法や行政をつかさどるようなポジションに近い人物にまで連絡を入れ、この市民生活における大混乱をなんとか収めて欲しいと、まさにこのタイミング!ここしかない!という瞬間に連絡を入れます。場合によってはお願いを、そして時には電話先の相手に檄を飛ばして現場を励まします。

この人物は、公の誰かから何か正式な権限を与えられて、公に力を得て動いているわけではありません。そう、公的な力も権限も何もないけれど、いわゆる非公式の力をふるって、この多くの市民が困っている今を立て直そう、今こそ現場リーダーであるみんなに頑張ってもらわねばならない!と、そのために自ら声をかけて励ます必要があると判断し、コミュニケーションで解決する糸口をつかもうと、自ら行動に出たのです。

「リーダーシップ」という言葉があります。これを仕事現場で発揮せよ、と上司から言われている人もいるのではないでしょうか。ではどうすればそれを発揮できるのか?そもそも自分はリーダーシップを発揮していいのか?リーダーシップとはどうやって発揮するのか?悩んでいる方がいるかもしれません。
前回(2か月前)のこのコラムでお伝えした映画「シン・ゴジラ」では、その主人公は「内閣官房副長官」といったポジションにつき、権限や権力が与えられた中において、まさにリーダーシップを発揮していました。しかし今回の映画「サマーウォーズ」の中での上記のシーンでは、そんな公的立場や権限は与えられていません。リーダーシップを発揮するのに、必ずしも「公式な権限」は必要ないのです。自分が考え、目的に沿って行動を起こし、人々を巻き込んで前進していく。その行動こそが一つのリーダーシップなのです。公式の権限などない人でも、積極的に周りを巻き込んでいいのではないでしょうか。目的に向かってチーム目標を達成するために、自分の立場としてできる活動を自分で推し進めていくのです。

これを読んでいただいている皆さんが、日々行っている仕事。そこでは、時に大きなトラブルに見舞われたり、様々な追加や変更に関する要求事項が降ってきたりすることもあります。こうした状況を日々さばいていくことで奮闘している現場、時には混乱している現場は少なくないのではないでしょうか。こうした困難に対してどのように向かっていくのか?自分はリーダーではないから、権限を与えられていないからといって、何もしなくてもいいのでしょうか?
もしもあなたがリーダーなら、たとえば右往左往している現場に適切な指示を出す。ぼんやり立ち止まっているところにはハッパをかける。頑張っているけれど一進一退のせめぎあいをしているところには激励を送り、必要なリソースを追加で割り付けて応援する。現場からすれば、適切な指示をくれる人がいる、応援してくれる人がいる、こうしたコミュニケーションでどれほど現場の動きが良くなることでしょう。場合によっては想像を超える大きな力に成り得ることもあります。
今までは、そうした事をやるべき立場ではないと思っていた現場のただの一人のメンバーであった人。公式の権限が無いからと諦めていた人。でもたとえば、現場同士で声をかけあったり、みんなで頑張ろうと励まし合うだけでも勇気が湧き、やる気も出るのではありませんか?
「あと少しだよ」「ここまではうまくいっている」「一緒に頑張ろう」といった勇気や頑張る力が出てくるような、こんな声掛けでも効果があるのではないでしょうか?あなたに励まされる人が必ずいるはずです。ということは、同時にあなたを励ましてくれる人も必ずいます。それぞれが、それぞれのリーダーシップを発揮する。それをチームの誰もがやり出せば、時には一気に空気が変わり、勢いがついてくることもあります。

あなたなりのリーダーシップを考える機会を与えてくれる映画「サマーウォーズ」。ここで上記にご紹介した「立ち上がったのは誰なのか」は、皆さんご自身でご確認いただければと思います。今まさに熱い夏、この時期を描いた楽しい映画です。ぜひご覧ください。

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