オンラインで公開講座&企業研修
新試験対応 PMP®試験対策講座
MENU 閉じる
閉じる
Information アイシンク インフォメーション
ホームアイシンクインフォメーション第30回:やがて海へと届く(2022年)

第30回:やがて海へと届く(2022年)

こんなところにもプロマネ! 2023.03.28

2016年に小説として発表され、その後2022年に映画化された本作品。一部、東日本大震災とも関連付けた描写などを通じて、友人との関係を表現したこの作品。なにかトリッキーなミステリーがある作品でもなく、アクション作品でもなく、CGがすごい作品でもなく。岸井ゆきのや浜辺美波が出ている、ということで興味を抱く方もいらっしゃるかもしれません。今回はこれを題材に少し語ってみたいと思います。

まずはいつもの通り、映画の内容から。
すでにレストランの店員として働いている主人公の真奈(岸井ゆきの)は、学生時代に親しかった友人のすみれ(浜辺美波)が旅行先で消息を絶ってかなり時間がたつにもかかわらず、まだ心の整理ができていない。そんな中で彼女の実質的な形見であるビデオカメラを手に入れ、その中の映像を見、彼女が何を見ていたのか、何を感じていたのかを知りたくなり、その場所を探しに会社の友人と向かうことに。
その訪問先において、津波の被害にあった人々が、互いに自身の体験を語ることで、自分の中だけでは整理できない何か、大切な人を失った喪失感や、悲しみを共有しているところに遭遇。それぞれの人々は、本当はシリアスな状況、災害の中で人を失ったシーンを語ることで、思い出すと、話し出すと、悲しいけれど、でも確かに何かを共有している。そんな人々と出会い、何かを感じて、縁のあったその中の方が経営する宿で宿泊することに。

寝付けない真奈は夜、隣の部屋で寝ている一緒に来た友人の部屋のほうの壁をトントンとノック。でも当然、しばらく待ったけれど、やっぱり違うか、寝よう。とした、そのときに、友人の部屋のほうから返事のノックが。

この作品は、友人や、大切な人を突然失うことによる、心の喪失、そしてそれに関連した何かが心の重しとなっている自分自身にどう対峙していくのか?といったレジリエンス的な(回復力、しなやかさといった)内容が根底に流れている作品です。そのレジリエンスに関する詳しい部分は弊社のもう一つのメルマガに任せるとして、こちらでは、上記にある「夜の壁のノックシーン」に注目したいと思います。

壁をトントンとたたく、それは玄関でもトイレでもどこでも、そこに誰かいる?を尋ねるアクション。たいていの場合はそれによって、そこに誰かいるのかいないのか、使っているのかいないのかを確認するアクションではあるわけです。ですが、この映画のシーンでは、別にそこに「居ることだけ」を確認したいわけではないはず。いや、「居る」のがあたりまえなんだけど、居て、そして同じく起きているんだな、寝付けないんだな、を確認することで、何か今の自分の状況に、共感や同時性が生まれることで心が休まることがあることが表現されているのではないでしょうか?単なるノックではありますが、とても重要なコミュニケーションのシーン。

この約3年間ほど、我々はコロナ禍の状況で在宅勤務が増えたことで、全員ではないにせよ、多くの方が在宅で、自分一人だけでパソコンに向かって仕事を進める状況が格段に増えたのではないかと思います。この状況下でどんどんと成果を出している人もいらっしゃるでしょうし、「邪魔が入らなくて、とても効率がいい」と喜んでいる人もいらっしゃるでしょう。ただ人によってはふと「なぜ自分がこんな形で仕事をしているんだろう。ほかの人は今、何やってるんだろう?」と心が不安定になったり、なぜかやる気が出なかったり、という人もいたのではないかと思うのです。そう、いつもの職場にいたのなら、ふと顔を見上げれば誰かがそばにいて、ちょっと声をかけることができていたようなコミュニケーションがうまくとれなくて、モチベーションが下がったり、仕事の品質が下がったりしているメンバーも。彼らと、どのように対峙したらいいのかに悩んでいるリーダーは、やはりいらっしゃると思うのです。大丈夫な「自分」はいいのです。でも大丈夫じゃない自分や、何となく不安になっている誰か、には、どうやって対処すればいいのでしょうか?こんなことに「誰にでも効く、特効薬的アクションはこれです!」があればよいのですが、多分ありません、でもそのヒントは、実は上記の映画の「壁をトントン」でもいいのではないでしょうか?

メンバーそれぞれが自宅において、それぞれのパソコンでそれぞれの作業をしていても、昨今では、Teamsをはじめとして、Slackやその他のツールを使って、状況を共有することが可能です。もちろんそうしたツールを使うことで、「仕事に必要な情報のやり取り」をすることがメインではあるものの、それ以外の情報、ちょっとした雑談をやり取りすることを介して、「あぁ、自分以外の他の人も、今仕事をしているんだ」「あぁ、自分だけが煮詰まってるわけじゃないんだ」と何となくでも感じられる、想像できる、それで少し救われる人がいるのではないでしょうか?会社によってはそうした情報共有ツールに、あえて「雑談」のチャンネルを設定し、リーダー自ら「おはようございます、今日は私の自宅では少し雨模様です」などと、他愛のない情報、でもその人の身近な何かが感じられる情報を率先して共有することで、たとえそれぞれが在宅で働いている環境においても、何かを感じることができる場づくりに力を入れているということも伺います。

さすがにこの長期にわたるコロナ禍も収束傾向を見せ、2023年度からは、かなりコロナ禍以前の仕事状況に戻る場面も増えると思います。ただこの3年間を通して、在宅には在宅のメリットもあることもわかりました。なのでこれからの仕事環境においては、そのどちらも併用する、どちらにも対応して仕事を進める事が求められてくると思われます。仕事を進めるのみならず、メンバーのケアをするにしても、リーダーはコミュニケーションを用いて行っている。であるがゆえに、リーダーの資質において最も重視されるのがコミュニケーション能力。それは同じ職場にいても、バーチャルや在宅勤務であったとしても同じことであり、そうしたコミュニケーションの重要性を心にとめて、仕事をすすめていただけないかなと感じた次第です。上記に書いた以外にも、様々に工夫されたツールやサービスが開発されています。ぜひ皆さんの現場に適した何かを使うことで、コミュニケーションの改善、改良を進めてみるのはいかがでしょうか?

あらゆるお客様の「プロジェクトの成功」をサポートしていくことが、
アイシンクの最大の使命と考えております。

03-5909-0912
平日 9:00〜18:00 (土日祝除く)
ホーム アイシンクの理念 プロジェクトマネジメントとは 導入事例
法人向けサービス
個人向け公開講座
企業案内
採用情報
インフォメーション