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ホームアイシンクインフォメーション第29回:QCDの優先順位

第29回:QCDの優先順位

メルマガ,できるプロマネの仕事術

●はじめに

システム開発のプロジェクトマネジメントで、重要な観点に「QCD」というものがあります。QCDとは、「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」の頭文字をとった言葉です。プロマネは、お客様からの品質要求を満足させ、決められたコストで、成果物を納期通りに仕上げる責任があります。今回は、このQCDの優先順位やマネジメントしていくときの留意点について説明していきます。

●QCDは相互に関連がある

QCDの各要素は、互いに影響し合っています。ポイントは、QCDの中の一つの要素を優先すると、他の要素が犠牲になってしまう、トレードオフの関係にあることです。例えば、品質を優先すると、追加のコストが必要になります。また、納期を優先すれば、レビュー等が疎かになり、品質が悪くなります。この関係は、よく「鉄の三角形」と呼ばれます。

●QCDには優先順位がある

プロジェクトの特性や、お客様の要求により、QCDには優先順位があります。
小生が担当したプロジェクトの事例を紹介します。製造業のお客様の生産管理システムの基盤構築プロジェクトで、お客様は24時間365日のNon-stop systemの構築を要求されました。すなわち、止まらない高品質のシステムを構築することが、最大の関心事でした。また、携帯電話開発プロジェクトでは、クリスマス商戦に間に合わせるために、納期厳守を要求されました。このようなお客様のプロジェクトに関する優先事項を確認するために、小生は、プロジェクトの開始段階で、お客様の最高責任者を訪問して、QCDの優先順位を確認するようにしていました。
このことにより、プロジェクトで問題が発生した時、QCDのどれを最優先にするかを、お客様視点でPMとして判断することができました。ただし、【品質】は顧客の要求する水準を満たしていることが大前提になります。どれだけコストが低くて納期が早くても、顧客が満足する品質でなければ意味がないことは言うまでもありません。

●QCD向上のマネジメントポイント

1.品質マネジメント

品質を向上させるには、品質メトリクス(品質指標)を明確にして、基準値を設定する必要があります。例えば、システム開発であれば、上流工程で、レビュー回数や時間を設定して、品質を担保することになります。また、プロジェクトを通して、品質担保する品質レビュー計画を立案することも重要です。最終段階で品質不良が発覚してもリカバリーすることは困難です。特に性能要求が厳しいプロジェクトでは、各フェーズ終了時に必ず、性能検証を実施して、早い段階から、品質を担保するように計画しました。

2.コストマネジメント

プロジェクト全体のコスト構造を分析して管理することが不可欠です。プロジェクトにかかるコストは、開発コストだけではなく、リスク予備費やプロジェクト管理コスト、プロジェクト運用コスト(プロジェクトルーム費用、諸設備等)があります。特に、開発コストに関しては、内外製分析を行い、内製コストと外製コストにわけて考えます。コストが厳しい場合は、オフショアも考慮することも必要になります。ただし、オフショアを採用する場合、それに伴う追加の品質コストも考慮する必要があります。

3.納期マネジメント

納期マネジメントを適切に行うためには、お客様と合意した、スケジュールベースライン(マスタースケジュール)が基本です。プロジェクト納期が厳しいプロジェクトでは期間短縮も必要になります。期間短縮の方法としては、ファスト・トラッキングや、クラッシングがあります。ファスト・トラッキングは、フェーズを重ねて期間短縮を図る方法ですが、手戻りのリスクを考慮する必要があります。また、クラッシングは、人を投入して期間短縮を図る方法ですが、追加のコストや、コミュニケーションオーバーハッド等を考慮して適用することが肝要です。

Tip of the day
●プロジェクトの開始段階でQCDの優先順位を顧客のキーマンに確認する
●プロジェクトで問題が発生した時は、お客様視点(QCDの優先順位に従って)で解決を図る

あらゆるお客様の「プロジェクトの成功」をサポートしていくことが、
アイシンクの最大の使命と考えております。

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