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ホームアイシンクインフォメーション第25回:八甲田山(1977年)

第25回:八甲田山(1977年)

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仕事においては、それぞれのメンバーがチームとして訓練されていなければ、なかなか成果に結びつかない事があります。そのために、チームの訓練は重要な活動の一部です。しかしすべての訓練がうまくいくとは限らず…。今回はそんな訓練に大失敗した映画、「八甲田山」を取り上げます。

青森県のへそ?のあたりにあるのが八甲田山。一つのそびえたつ山、というよりもつらなった山々で構成されている場所です。
映画、八甲田山の時代背景は、日清戦争後の日本。たぶん近い将来には次はロシアとの開戦はもはや不可避とみて、対ロシアへの日本軍の準備が急務とされていた時代。ロシアは極寒の地においても行軍できる実力を持っており、日本軍もそれに対応できるように準備する必要がある。その研究、訓練が必要だとの認識となり、二つの隊に「雪の八甲田を歩いてみてくれ」との命が下りました。

さらに、二つの隊での訓練となれば、一緒に行くというよりも互いに反対のルートをたどって、八甲田ですれ違うのはどうだろう、となり、各隊はそれを念頭に行軍訓練の計画を立てます。しかし同じ基地から出発する二つの隊が、山ですれ違うようなルートをたどるには、事実上、一つの隊は、ぐるりと山を大回りして、山の向こうからのアプローチをとらざるを得なくなります。

この大回りの行軍を飲まざるを得なくなった隊長(仮にA部隊としましょう)は、訓練とは言え、万が一の場合でも申し訳が立つようにと、少数部隊での訓練を計画します。大回りになるがゆえに出発日ももう一つの隊よりも何日も前からの出発となり、非常に厳しい訓練となるであろう予想の上、計画も綿密に行われていたことでしょう。

それにひきかえもう一方の隊(仮にB部隊としましょう)は、八甲田山に正面から向かう軍であり、すれ違うのは出発から高々数日後。さらに先に出発した隊が少数舞台であったことをよく思わず、こちらは200名以上の大部隊を構成して山に向かいます。

A部隊は、万が一にも事故を起こしてはならんと、雪で迷いそうな道では、地元の道案内を頼みます。

他方B部隊も同じような雪で迷いそうな道はあり、地元民が道案内を買って出ますが、「単に道案内をして金が欲しいだけだろう。そんなものはいらん!」と道案内を拒み、雪が降り積もる中で道に迷う、という最悪の状況にはまってしまいます。

すでに史実として、八甲田山雪中行軍遭難事件(明治35年)としても記録されているくらいの大事件となっているのでご存じの方もいらっしゃると思います、B部隊は遭難します。大部隊で行軍しながらも、結果、多数の死者を伴った訓練終了という、悲惨な状況になってしまいます。

現実の皆さんが実施される仕事で、さすがに死者が出るようなことはめったにないと思います。が、みなさんのお仕事においても、「仕事を進める」うえで、安易に判断してしまったことで、大きなトラブルに見舞われる、ということは起こりえない事ではありません。

そうした時に、PMBOKでは、「専門家の助言に頼る」ということも書きあらわされています。こうした専門家自体も、「当該分野専門家 SME(Subject Matter Experts)」として記載されています。
やはりまったく知見の無い分野、新たなことに取り組む際には、自分たちだけで十分に検討するのみならず、それに精通した方に意見を伺うことが重要だと明示されているわけです。

言われてみれば当たり前のことですが、場合によってはついついそれをおこたって、たまたまうまくいけばまだよいものの、結果的に大きなトラブル、大きな損失につながることもあるのではないでしょうか?

史実と同じく、映画でも大きな失敗をともなって終わります。上記ではA部隊、B部隊と書きましたが、映画の中ではA部隊の隊長役を高倉健、B部隊の隊長役を北大路欣也が演じるなど、そうそうたるメンバーが演じています。
実際の撮影においても、今あるような防寒具はあまりなく、極寒の地においての撮影はかなり厳しい状況であったとの他の出演者のコメントを聞いたことがあります。

今回は成功事例、大団円ではないのですが、こうならないためにはどうすべきか、何が失敗だったのかを、映画を通じて学ぶことができる事例として取り上げてみました。
機会があればぜひご覧ください。

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