●はじめに
「振り返り」は英語では「reflection」と呼ばれます。プロジェクト遂行で、忙しい日々の中でも「振り返り」を行うことによって自らの成長やプロジェクトの成功確率を上げることが可能です。マネジメントの大家である、ドラッカー氏も、その著書の中で、「定期的に自らを振り返り、次に向けた改善点を洗い出す」ことの重要性を説いています。今回は、「振り返り」の重要性と効果的に行うフレームワークを紹介します。
●「振り返り」はいつ行うか?
「振り返り」は、プロジェクトの最後に行うのではなく、Waterfall開発では、フェーズの終了時、Agile開発ではイテレーションの終了時点で実施します。まだ、ホットな状態で、関連するメンバーが集まり、短時間で振り返ることが効果的かつ効率的です。
●「振り返り」を効果的・効率的に行うフレームワーク
プロジェクトをチームで「振り返り」るときに、有効なフレームワークとして、「KPT法」があります。チームで行うときは、whiteboardを使って行うのが効果的です。
「KPT」とはKeep・Problem・Tryの言葉の頭文字をとったフレームワークです。プロジェクトの進捗や目標達成に対して下記の3つでまとめていきます。
・Keep:継続すべきこと
・Problem:抱えている問題
・Try:次に挑戦すること
Keepでは今後も続けるべきよかったこと、Problemでは今後やめるべきことまたは乗り越えなくてはいけない課題の洗い出し、Tryでは次に挑戦することに注目します。Tryが、たくさん出た場合は、重要性・緊急性の観点で優先順位付けを行い、効果的に実施することも考慮します。
筆者も、フェーズ終了時に、関連するメンバーを集めて、上記のKPT法を活用してBrainstormingを行い、短時間に、良かった点、改善すべき点や、教訓を纏めることができました。また、得られた教訓を次のフェーズやイテレーションで活かすことで、プロジェクトの成功確率を高めることも可能になりました。
●出来るPMの特性
PMを3つの特性で分けると
・出来るPM:成功しても失敗しても振り返る
・普通のPM:失敗した時のみ振り返る
・ダメなPM:振り返らないので失敗を繰り返す
となります
「出来るプロマネ」になるために、成功、失敗にかかわらず、振り返ることをお勧めします。
Tip of the day
●「振り返り」はプロジェクト期間中継続的に実施する
●「振り返り」はプロジェクトの成功確率を高める
●常に「振り返り」を行い、「出来るPM」になろう!