お客様のご紹介
- 商号
- 株式会社デンソー
- 事業内容
- 自動車関連事業・産業機器事業・生活関連機器事業・社会ソリューション
- 従業員数
- 単独 43,781人(2025年3月31日時点)
今回お話を伺った方
研修導入のきっかけ
-2017年から継続いただいている「PM上級研修」の概要と、企画された背景を教えてください。
増子様:企画を開始した2017年の時点で、自動車におけるソフトウェア開発は益々大規模化していくということが分かっており、社内のプロジェクトマネジメントのあり方について課題を感じておりました。
当時は、大規模プロジェクトをマネジメントできる人財が即・大量に必要という状況ではなかったと記憶していますが、将来を見越して、不確実性が高く、将来どうなるか分からない状況においても、きちんとプロジェクトマネジャーとして立ち振る舞えるようなコアになる人財を今のうちから意図的に育成しておかなければいけないという想いでこの研修を立ち上げました。
その時にアイシンクさんにご相談し、ご協力いただいてきたという経緯です。
-御社の中での研修の位置付けや、従来の研修との決定的な違いは何でしょうか?
当時は、社内でプロジェクトマネジメントを体系的に学ぶ機会は限られていました。
特に上級レベルのプロジェクトマネジャーを育成するための教育はまだ整っておらず、社内にはプロジェクトマネジャーとして活躍するベテランや第一人者はいたものの、その多くは自主的な学びや工夫、実務を通じて力を磨いてきたという方がほとんどでした。
これからは自然発生的に育つのを待つのではなく、意図的に上級のマネジャーを育成しようという狙いで立ち上げました。
弊社アイシンクを選んだ理由
-数ある研修会社からアイシンクを選ばれた理由は何でしょうか?
増子様:講師の存在が非常に大きかったです。
我々も色々な教育に携わってきていますが、人前に立って話す講師の質は非常に大切と考えています。
質というのは話し方やテクニックではなく、きちんと経験に裏付けされたことを語れるかどうか、という面です。
当時の自動車業界は、まだまだクルマの中に閉じたソフトウェアが中心でしたが、CASEと呼ばれる新たな技術革新の潮流が本格化し、モビリティの役割や可能性がより広がっていく局面を迎えていました。
アイシンクさんの講師陣は、ソフト・ハードの両面に精通し、海外での交渉経験や業界横断の幅広い知見をお持ちでした。そうした点が、これからのデンソーにとって必要であり、当社がこれまで十分に経験できていなかった部分を補っていただけると強く感じ、アイシンクさんにお願いすることにしました。
-弊社の講座設計はカスタマイズが特徴ですが、御社の状況に合わせてここまで踏み込んでくれた、と感じられた部分はありますでしょうか。
増子様:講義部分はアイシンクさんが保有するアイテムやノウハウを活かしていただいたと思うのですが、特に我々の要望にお答えいただいたと感じるのはケース演習についてです。
自動車業界ならではの開発状況や体制構築の仕方は他業界とは異なる部分があったかと思いますが、そういった特有の状況に合わせたシステム開発の事例や演習課題を、スピーディにご提案いただけたと思っています。
例えば架空のプロジェクトを題材としながら、システム・ソフト・ハード部門との役割分担や、協力会社との関係・体制を実際の状況に近い設定で演習用のケースを作成いただきました。
研修の効果について
-この研修プログラムを2017年から実施してみて、率直にどのように効果を感じられていますか?受講者がどのように活躍されているか教えてください。
増子様:デンソーとして求めるマネジメント要素の変化や受講者の声をうまくキャッチいただき、翌年のプログラムに反映していただいているのはとてもありがたいと感じています。
受講後の活躍を数値で測ることは難しいものの、毎年同じ部署から継続して受講者を送り出してもらえるということは、受講した方がしっかりと職場で力を発揮し、その姿を部門の責任者の方にも評価いただいている結果ではないかと思います。
また、弊社で展開している「SOMRIE®認定制度」において、プロジェクトマネジャーの高度人財に認定された受講者もおります。必ずしも本研修だけの成果とは言いきれないものの、受講者が着実に力を身に付け、その成長が評価され、結果として会社にとってプラスにつながっていることは確かだと感じています。
-立ち上げ当時の課題感と、10年近く経った現在で、受講者に求められる層やレベル感はどのように変化してきていると感じられていますか?
増子様:個人的な感覚だと、10年前の立ち上げ当初に「未知のリスクに対応できるプロジェクトマネジャーの育成が必要だ」と言っていたことが、今まさに「やっぱりそうであった」と言える状況になっていると感じています。
クルマの中で扱われるソフトウェアは益々大規模化・複雑化し、扱われるプロジェクトは不確定な要素が増えて難易度が高くなっています。
研修の立ち上げ当初は「未知のリスク」と言ってもピンと来ていない方や、他に優先してやることがあるという反応もありましたが、今は当然のこととして受け止められるようになってきており、事業を取り巻く環境や受講者のレベルが追いついてきたのではないかという気がしています。
2025年度より受講ニーズが急増しクラス数を増やしているのは、そういった状況や背景によるものだと思います。
一方で我々事務局としては、将来に向けて次に強化すべき要素は何かというところがまだまだ深掘りできていないと感じており、次の一手の検討と対策が課題だと思っています。
-プログラムの中で、教育担当者の目線で見て最も気に入られているポイントとその理由を教えてください。
増子様:研修の中で演習に取り組むだけでなく、学んだことを持ち帰って自分の業務に当てはめる課題があるというのが非常に大きいと思っています。
一般的な研修だと、ロールプレイやケース演習を行なっても実務とは状況が異なるため、学びが現場に結びつきにくいことがあります。
一方、本研修では、学んだ内容を一度持ち帰り、自身の業務に当てはめて考える機会があり、さらにその内容についてコーチングを通じて個別に指導いただけます。こうしたプロセスによって、研修が教育にとどまらず、実務と自然に連携できている点が、大きな特長だと思います。
今後の展望
-今後このPM上級研修を通じて、どのような組織像を目指されたいですか?
増子様:冒頭にも申し上げましたが、弊社内ではプロジェクトマネジメントを体系的に学ぶ機会がこれまで必ずしも多くはなく、実務を通じて経験的に身に付けてきた方が多い状況でした。我流が多く、プロジェクトマネジメントの一般的な用語の認知度もバラついていました。
この「PM上級研修」を1つのきっかけとして、プロジェクトマネジャーの役割が正しく理解・認識され、プロジェクトマネジメントに関する用語が普通に飛び交う、そんな組織を目指したいと考えています。この状態になれば、デンソーのプロジェクトマネジメントのレベルはもう1段、2段、底上げできると思っています。
もう1つ、プロジェクトマネジャーは影響範囲が広く、やりがいや達成感を感じられる非常に面白い役割ですが、現状は大変なイメージが強く、その魅力が十分に知れ渡っていないと感じています。プロジェクトマネジャーを目指したいという人が増えるような組織になるといいなと思っています。
-弊社のプログラムは、どのような悩みを持つ企業やご担当者様にお勧めしたいでしょうか?
増子様:プロジェクトマネジメントの力を軸に、組織を先頭に立って引っ張っていける人財を育成したいと考える企業にとって、「PM上級研修」は非常に有効だと思います。
社内のプロジェクトマネジメントを全体的にアップしたいなど、プロジェクトマネジメントに関して強化したいことがあれば、アイシンクさんの豊富な研修ラインナップの中で希望に合った研修が見つかるのではないでしょうか。
-最後に、今後アイシンクに対してさらに期待したい点はございますでしょうか?
増子様:教育提供という面において、これまではスポット的な研修をお願いしてきたことが多かったと思っています。
弊社のプロジェクトマネジメントの状況はすでに色々と把握いただいており、それを踏まえて「知識面でどういうラインナップが必要か」「最低限のパッケージはこれぐらい」「こうつなげればいい」など、一層踏み込んだご提案をいただけると非常にありがたいです。

増子様、広瀬様、貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。(アイシンク)