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PMスキルを可視化するには? PM人材育成を「研修して終わり」にしないための現状把握と育成設計

橋本稔
公開: 2026.09.18

PMスキルを可視化するには? PM人材育成を「研修して終わり」にしないための現状把握と育成設計

プロジェクトを成功に導くためには、プロジェクトマネジャー(PM)の育成が欠かせません。
そのため、

  • PM研修を実施している
  • PMP®資格の取得を推奨している
  • 若手・中堅PM向けの育成体系を整えている

という企業も多いでしょう。

一方で、弊社アイシンクがPM育成について企業からお話を伺っていると、

  • 自社のPMが、今どのくらいのレベルなのかわからない
  • 一人ひとりの強み・弱みを把握できていない
  • 研修は実施しているが、本当に必要な教育なのかわからない
  • 部署によってPM力にどのような違いがあるのかわからない
  • 育成施策によって、本当にPM力が向上したのか測定できていない

といった課題が出てくることがあります。

こうした状態で一律に研修を実施しても、すでに身についている内容を学ばせてしまったり、本当に強化すべき能力が置き去りになったりする可能性があります。

そこで重要になるのが、研修を始める前に「PM人材の現在地」を把握すること、です。

この記事では、PMに求められる力をどのように捉え、可視化し、その結果を人材育成へどうつなげればよいのかを独自に解説します。

【この記事でわかること・目次】

PM人材育成で起こりやすい「とりあえず研修」の問題

PM人材を増やしたいとなったとき、まず思い浮かぶ施策は「研修」かもしれません。
もちろん、プロジェクトマネジメントの体系的な知識を学ぶことは重要です。

しかし、
PM育成=とりあえず全員に同じ研修を受けてもらう
となってしまうと、必ずしも効果的な育成になるとは限りません。

たとえば、ある組織では<プロジェクトマネジメントの知識は十分でも、メンバーを動かすリーダーシップに課題がある>かもしれません。
別の組織では、<コミュニケーション力は高いものの、スケジュールやリスクを計画・コントロールする力が弱い>かもしれません。

さらに同じ部署の中でも、

  • 知識はあるが、実践経験が少ない人
  • 経験は豊富だが、体系的な知識を学んだことがない人
  • プロジェクトは回せるが、チームマネジメントに苦手意識がある人

など、課題は一人ひとり異なります。

実際にアイシンクへ寄せられたご相談でも、組織の強み・弱みを把握し、その弱点を教育することでPM力全体を向上させたいというニーズがあります。

だからこそ、研修を考える前に、
「いま、何ができていて、何が足りないのか」
を把握することがとても重要です。

そもそも「PM力」とは何か

プロジェクトマネジャーに必要なのは、プロジェクトマネジメントの知識だけではありません。

アイシンクでは、PMに必要な力を大きく、

知識力 / 実践力 /人間力

の3つの観点から捉えています。

1.知識力

プロジェクトマネジメントに関する体系的な知識です。
たとえば、
スケジュール・マネジメント、品質マネジメント、リスク・マネジメント、ステークホルダー・マネジメント、コストや資源のマネジメント
など、プロジェクトを管理するために必要となる知識が該当します。

アイシンクが独自で開発した「PM力診断」では、PMBOK®ガイドなど世界標準のプロジェクトマネジメント知識体系をもとに、基礎知識や計画・実行・コントロールに関する知識を測定します。

2.実践力

知識を知っていることと、実際のプロジェクトで使えることは別です。
たとえば、
プロジェクトの成功戦略を計画へ反映する、リスクを関係者と共有する、計画と実績の差異からアクションを取る、顧客や上位マネジメントと適切にコミュニケーションする、チームのパフォーマンスを向上させる
といった、実際のPMとしての行動が実践力です。

「PM力診断」では、プロジェクトマネジャーが「誰に対して、どのような行動や判断をしているか」という観点から実践力を確認します。

3.人間力

PMは、計画だけを作る仕事ではありません。
顧客、上司、プロジェクトメンバー、協力会社など、多くの関係者を巻き込みながらプロジェクトを前に進めます。
そのため、
リーダーシップ、プロ意識、モチベーション、他者感情への気づき、柔軟な対応、適切な影響力の発揮、
といった力も必要です。

アイシンクの「PM力診断」では、プロ意識・リーダーシップ・EQ(Emotional Quotient)などを含む観点から、人間力を測定します。

PMスキルを可視化できると、何がわかる?

PM力を可視化しようとすると、一人ひとりの点数や傾向を出すこと自体が目的になりがちです。
しかし、企業でのPM力可視化の価値は、単純な「点数付け」ではありません。
大きく分けると、個人と組織の2つの視点で活用できます。

個人:自分の強みと改善ポイントがわかる

たとえば、

  • 知識力は高いが実践力に課題がある
  • プロジェクト管理はできているが、メンバーのモチベーション向上に課題がある
  • 外部ステークホルダーへの対応は得意だが、チーム内マネジメントに課題がある

といったように、自分では気づきにくい能力のバランスを確認できます。

アイシンクの「PM力診断」では、回答者本人の結果だけでなく、基準値や対象者平均(組織平均)との比較も可能です。
基準値は、これまでにPM力診断を受けた約6,000人以上のデータをもとに算出しています。

組織:PM人材の「分布」が見える

診断を複数人で実施すると、

  • 組織全体として何が得意なのか
  • どの領域に共通する課題があるのか
  • 部署によって特徴が異なるのか
  • どのようなPM人材がどれくらいいるのか

といった傾向も把握できます。

実際に企業からは、
「組織ごとのPMが、それぞれどのようなレベルなのかを把握したい」
「個人結果・全体結果・部門別結果を教育カリキュラムにつなげたい」
といったご相談が多くあります。

PM力の可視化は、単なる社員アンケートではなく、組織としてどのようなPM人材を育成していくかを考える材料にもなります。

「PM力診断」の本当の価値は<診断後>にある

ここが、PM力の可視化をする上で最も重要なポイントです。
例えば、アイシンクの「PM力診断」の診断結果を見て、

  • あなたは〇点でした
  • この部署はリスクマネジメントが弱いです

と確認して終わってしまえば、組織のPM力は変わりません。

診断で明らかになった課題を、
育成施策へつなげる
ところまで行って、初めて意味があります。

実際、企業でのトライアル実施後には、知識力・人間力・実践力それぞれの結果から具体的な課題を分析し、

  • この結果をどう強化策につなげればよいのか
  • 診断結果に基づいた研修を提案してほしい

というご相談へ発展しています。

つまり、
診断 → 課題発見 → 育成
を一つの流れとして考える必要があります。

アイシンク「PM力診断」を人材育成につなげる4つのステップ

STEP1 現在地を測る

まずは、PM人材の現在地を把握します。
知識力・実践力・人間力のどこに強みがあり、どこに改善余地があるのかを確認します。

重要なのは、最初から「○○研修をやろう」と決めないことです。
研修ありきではなく、課題を特定してから施策を考える。
この順番にすることで、教育投資をより効果的に使いやすくなります。

STEP2 個人と組織の両方から分析する

個人の弱点だけを見るのではなく、組織としての傾向を見ることも重要です。
たとえば、

  • スケジュール管理は組織全体で弱い
  • 若手層では知識力が不足している
  • 管理職層ではチームマネジメントにばらつきがある

など、属性別に分析することで、組織として取り組むべきテーマが見えてきます。

年齢、職位、役割、部署などの属性を組み合わせて分析することで、より具体的な育成課題を把握することも可能です。

STEP3 課題に合わせて教育を設計する

診断結果から、
「PM基礎研修を全員に実施する」
のではなく、
組織共通の課題には共通研修
個人差が大きい部分には選択型研修
といった設計も可能になります。

実際に診断後の企業研修検討では、

  • すべての課題を扱うのか
  • 弱点を重点的に強化するのか
  • 基礎力を全体的に底上げするのか
  • 個人ごとの課題に応じた講座設計にするのか

といった議論へ進むことがあります。

診断結果を活用することで、研修メニューそのものを目的にせず、「何を育てるべきか」から教育を設計しやすくなります。

STEP4 もう一度測る

研修を実施した後には、再び同じ観点から測定することで、
育成によって本当に変化したのか
を確認できます。

PM力診断は、講座前後で実施して成長を確認したり、半年・1年など定期的に実施して組織全体のPMコンピテンシーの変化を追跡したりする使い方もできます。

つまり、
測る

育てる

再び測る
というサイクルを作ることで、PM育成を一度きりのイベントではなく、継続的な人材育成へ変えることができます。

PM力を「レベル分け」や「プロジェクトアサイン」に使うときは注意が必要

PM力を可視化すると、

  • このPMはこのレベル
  • このPMならこの規模のプロジェクトを任せられる

といった使い方をしたくなるかもしれません。
実際に企業からも、PMをレベル分けし、プロジェクトアサインへ活用したいというご相談があります。

ただし、ここは慎重に設計する必要があります。
プロジェクトマネジャーの力量は、数値結果だけで決まるものではありません。
たとえば、

  • プロジェクト経験年数
  • 経験したプロジェクトの規模
  • プロジェクトの難易度・不確実性
  • 業界・業務知識
  • 過去の実績

なども考慮する必要があります。

PM力の可視化や、「PM力診断」は、人事評価やプロジェクトアサインを機械的に決めるものではなく、
「PM人材について考えるための共通の物差し」
として活用することが重要です。

アイシンクの「PM力診断」とは

アイシンクの「PM力診断」は、プロジェクトマネジャーのPMコンピテンシーを測定し、個人や組織の強み・弱みを可視化するサービスです。
アイシンクが研修・コンサルティングで蓄積してきたPM人材育成のノウハウをもとに、PMに必要な能力を、

  • 知識力
  • 実践力
  • 人間力

の3つの観点から診断します。

標準設問は、

  • 知識力:44項目
  • 実践力:21項目
  • 人間力:42項目

で構成されています。

診断後は、個人結果だけでなく、組織全体の傾向などを確認することもできます。
また、結果を研修設計へつなげたり、複数回実施してPM人材の成長を確認したりすることも可能です。

「研修をする前に、何を育てるべきか」を明らかにする

PM人材育成では、

  • 研修を何回実施したか
  • 何人が受講したか
  • 何人が資格を取得したか

といった数字に目が向きがちです。

しかし、本来の目的は、
プロジェクトを成功へ導けるPM人材を増やすこと
のはずです。

そのためには、
現在地を把握する

強み・弱みを知る

必要な教育を行う

変化を確認する
というサイクルが必要です。
アイシンクの「PM力診断」は、その最初の<現在地を知る>ための一つの手段です。

このような課題をお持ちの企業様は、ぜひご相談ください。

  • PM研修を実施しているが、育成効果が見えない
  • PM人材を計画的に育成したい
  • 組織としてPMの強み・弱みを可視化したい
  • 一律研修ではなく、自社の課題に合わせて育成したい

PM力診断について詳しく見る


著者情報
プロジェクトマネジメント系講座
橋本稔

大手電機メーカーにて、光ディスク読取り装置の設計に従事、その後同社ゲーム事業子会社にて、ネットワーク事業企画、オンラインゲーム基盤開発、オンラインコミュニティサービス開発運営、M&A、研究開発など、多岐にわたる様々な領域で、プロジェクトマネジメントの経験を持つ。
講座では、多様なプロジェクトマネジメント経験を基に、理論と共に実践で役立つノウハウを伝えている。


あらゆるお客様の「プロジェクトの成功」をサポートしていくことが、
アイシンクの最大の使命と考えております。

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