アイシンク株式会社は、2025年11月12日から15日にかけて米国アリゾナ州で開催された世界最大級のプロジェクトマネジメント・カンファレンス「PMI Global Summit 2025」に参加いたしました。
本サミットには世界中から約5,000名のプロジェクトマネジメント専門家が集結し、”More Together”というテーマのもと、最新のPM動向やAI活用、組織文化に関する熱い議論が交わされました。
本記事では、現地で得られた最新の知見を抜粋してご紹介いたします。

開催概要
イベント名:PMI Global Summit Series in Arizona
主題 :”More Together”(互いの成長を分かち合えれば、共に可能性の限界を超えた成果を生み出すことが出来る)
開催地 :アメリカ合衆国 アリゾナ州
参加規模 :約5,000名(日本からは15名前後が参加)

1.プロジェクト成功の鍵を握る新フレームワーク「M.O.R.E」
オープニングセッションでは、PMIのCEOであるPierre Le Manh氏より、プロジェクトの成功確率を劇的に向上させるためのフレームワーク「M.O.R.E」が提言されました。
「M.O.R.E」:プロジェクト成功のためのフレームワーク
- Manage Perceptions(認識のすり合わせ)
- Own Success(成功の具体化)
- Relentlessly Reassess Project Parameters(前提条件の継続的再評価)
- Expand Perspectives(視点の拡大)
調査によれば、これらの要素をすべて一貫して実施できているPMはわずか7%に過ぎないとされています。
実践することで成功率は大幅に向上すると強調されました。
2.プロジェクトにおける「率直な思いやり(Radical Candor)」
Kim Scott氏のセッションでは、健全なチーム運営に欠かせないフィードバックのあり方として「Radical Candor」が紹介されました。
「思いやり」と「率直さ」を両立させることで、不必要な遠慮(Ruinous Empathy)や、ただの攻撃(Obnoxious Aggression)を避け、建設的なチーム環境を構築する重要性が説かれました。
4つのフィードバック類型
- Radical Candor:思いやり+率直さ。理想のフィードバック。
- Obnoxious Aggression:率直だが思いやり×。ぶっきらぼうな指摘。
- Ruinous Empathy:思いやり〇も、率直さがない。相手のためにならない遠慮。
- Manipulative Insincerity:思いやり×率直さ×。不誠実で建設的でない状態。

実践する上で大事なポイント
褒めるときは公開で、改善や指摘は非公開で出来るだけ早く行う。
積極的傾聴を行いながら、人格ではなく、観察事実と行動に基づいてコメントする。
反発があったときは「私は~」と”I”メッセージを伝える。
3.AI活用型PMの時代:自動化から高度な意思決定へ
今回のサミットで最も関心が高かったテーマの一つがAIです。
Ashima Sharma氏の講演では、AIを単なる効率化ツールではなく「高度な意思決定の助言者(AIは助言者であって決定者ではない)」として位置づける必要性が語られました。
世界の81%の組織がAI導入を進行中で、2024年の7,000人の専門家を対象とした調査でも94%がAIを学ぶ意欲ありと回答した一方で、所属組織がAIトレーニングを積極的に実施していると回答した人はわずか5%とのこと。
Ashima Sharma氏は、PMには既存の生成AIツールを使いながら学ぶ姿勢が求められ、AIプロジェクトは失敗・反復・曖昧さに耐えるマインドセットが必要、と強調しています。
その上で、ビジネス理解とデータ理解を起点に、データ整備・モデル評価・デザイン思考(共感→定義→発想→試作)のプロセスを学ぶことが出来る注目の新資格として「CPMAI®」が紹介されました。

4.待望の「PMBOK®ガイド 第8版」リリース
サミット当日、世界標準であるPMBOK®ガイドの第8版のリリースが正式に発表されました。
今版では「価値創出(Value Creation)」が重要なキーワードとなっており、プロジェクトがいかにビジネ ス価値を生み出すかに主眼が置かれています。
PMBOK®ガイドの第8版の最新・独自分析情報はこちら
アイシンクでは、今回のサミットで得られた国際的なスタンダードや最新のAI知見を、今後のサービス提供や教育研修プログラムに反映させ、皆様のプロジェクト成功をより強力に支援してまいります。